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高島平9条の会

 

 

去る5月25日、高島平区民館ホールで行った「映画と対談のつどい」は、高島平九条の会の結成20周年記念行事ですが、「高島平ドキュメント映画を見る会」(50回記念)と共同で行ったものです。

上映された映画「教育と愛国」は、日本の教科書に歴史の修正が急速に加えられ、日本が再び戦争への道を歩んでいるのではないかと言う危惧を語った傑作で、日本映画ペンクラブ・文化映画ベスト1(2022)を始めとして数々の賞を受賞した作品です。

映画を見た後、ジャーナリストの青木・ 理さんと文・聖姫さんとの「対談」では、現代の日本社会の「戦争と平和」の数々の認識の問題点を語り合いました。

会場の高島平区民館ホールは、参加者で埋め尽くされました。
この集会:「映画と対談」から学んだ約300名の参加者は反戦の意を固くした様子は、参加者の「 感想 & アンケート 」にはっきり表れています。

### 映画「教育と愛国」ホームページ 

 

参加者から寄せられた主な「 感想 & アンケート 」
〇 ご盛会何よりでした。/映画と対談も素晴らしく、充実した時間を過ごさせて頂き感謝いたします。(70代以上男)
〇 青木さんのお話はラジオ等でよく聞いているが、今回たっぷり時間があっていろいろなことが聞けた。(60代女)
〇 時代の流れに真理が見えなくなる時がありますが、立ち止まって考えていきたいと思いました。(40代女)
〇 まずは参加者の多さに驚きました。このような平和の催しを開催していただきたいと思います。(70代以上男)
〇 今の時代の流れの危機感はとても共感します。日頃心細い思いもありましたが、少し心強くなってもきました。(70代以上女)
〇 歴史を教えることは難しいことだとあらためて思った。色々研究したうえで事実を伝えただけで「自国を否定」や「反日」と言ってくることは自民党の傲慢な態度の裏付けでしかないと改めて思った。(50代男)
〇 日本の子供たちには正しい歴史を教える義務があります。今の政治は間違っています。日本は二度と戦争をしてはいけません。(70代以上女)
〇 最初の場面に衝撃を受けました。挨拶の仕方に正解があるとは。こうして育てられていくんですね。(60代女)
〇 「教育と愛国」良かったです。教育への政治介入に恐ろしさを感じています。青木さんのお話、幅広く、深く、想像以上で足を運んでよかったです。(70代以上女)
〇 日本会議の正体が映画や青木さんとの対談で暴かれた事が良かった。(70代以上女)
〇 文さんへ、朝鮮(南北)の話もっと聞きたかった(70代以上男)
〇 深く正しく事実が伝わってきました。青木さんのお話やはり面白く、励まされました。それを引き出した文さんもとてもスバラシイです。(60代女)
〇 2025年、今はまさに戦前と、戦争体験者の話。じわじわと洗脳されないよう事実をみていきたい。(70代以上女)
〇 大切な企画だと思います。お疲れ様でした。(30代男)
〇 ご盛会何よりでした。映画と対談も素晴らしく、充実した時間を過ごさせて頂き感謝いたします。内容は3年前どころか、今日現在に響くものでした。(70代以上男)

 

フェイク許さぬ社会を  倉谷 順一   2025年7月
7月の参院選で京都府選挙区から4選を目指す自民党の西田昌司参院議員が5月3日、とんでもないことを言った。
沖縄・ひめゆりの塔をめぐって「日本軍がどんどん入ってきて、ひめゆりの隊が死ぬことになった。そしてアメリカが入ってきて、沖縄が解放されたと、そういう文脈で書いている。

歴史を書き換えられるとこういうことになっちゃうわけだ」。これには沖縄の自民党もふくめて強い批判を受けた。
結局、謝罪することになったが、その謝罪の弁は“TPOを欠いた”というものだ。批判されているのは発言内容なのに、それは取り消していない。西田氏は筋金入りの改憲論者でもある。

さらに西田氏は産経新聞社「正論」7月号で「『日本軍は悪、米軍は善』という東京裁判史観そのものだ」とも主張している。
「東京裁判史観」というのは歴史修正主義者が使う言葉だが、30年ほど前から「自虐史観」とも言われるようになってきた。どちらも同じ 類だが、特徴は進歩的価値観や実証主義に基づく歴史への評価を変えてしまおうとするところにある。
驚くには当たらないが右派政党・参政党の神谷宗幣代表も「日本軍が沖縄の人たちを殺したわけではない」と述べて物議を醸した。
80年前の6月23日、20万人余の命を奪った沖縄戦が終結した。沖縄県民にとって筆舌に尽くしがたい大きな惨禍だった。それだけに「政治家が事実をねじ曲げて発言してはいけない。
沖縄を侮辱するにもほどがある」と憤る声があがるのは当然だ。これらの言説は、今日のようなネット社会では容易に拡散されかねない。昨年の東京都知事選における石丸伸二氏、また兵庫県知事選で当選してしまった斉藤元彦知事のように予想外の影響力を持つ。 フェイクが蔓延するような社会はゴメンだ。 

父の戦争体験—第2回(編2)---精神力だけでは戦は勝てない 浅尾 務 1978.12
ビルマ戦線では内地から全ての補給が断たれ、戦闘に必要な物資は底をつき、砲弾 すら節約であり、兵士も内地からの補充で はなく、現地在留邦人男子全員召集によって補われていた。
召集された在留邦人の男子は体力もなく、根性もなく、教育訓練に も熱意がなく、世界最強の軍隊の自信はこのあたりから崩れていった。 このようにして、鶴亀算ではないが、頭 数さえそろえばと、前線に配属されてきた。 兵士の士気は上がらず、質は次第に低下していった。
兵士の被服は補給がないのでボロボロであり、靴も左右文数が違い全くの寄せ集めで道なき道を行軍するにも支障をきたし、食料も充分になく日夜間断なく爆撃にあい、わが軍は前線へ前線へと突き進み補給路はますます延び、その補給物資すら着かない。敵のなすがままに翻弄され、涙を飲んで我慢するしかなかった。

日本軍は昼なお暗き密林の中に、原始人 のように穴倉を掘り、仮眠していたのを敵が知り、常時敵機が頭上すれすれに飛び廻り、警戒し一人でも兵士が居ることが分か れば物量に物言わせ、数十機が飛来し爆弾 を雨あられのごとく集中投下され生きた心地はしない。 戦死者が続出し、ゴム林は裸にされ、生物ことごとく被害を蒙った。
わが方には飛行機なく、砲弾なく反撃し ようにも施す術もない。したがって夜陰に 乗じて敵地に切り込み隊を編成し、切り込みを実施したのであるがその都度、兵士の損耗が多く、これまた苦労の種であった。
野営地は爆撃され後片付けも出来ないので、次のゴム林を見つけて移動する。これも昼間は爆撃機が頭上すれすれに飛んでいるので、夜に行動する。昼間は飯金炊飯は出来ない。煙が上がれば敵の目標となるので、夜間に二食分くらいを炊くが、米を洗うにも水なく、手探りで水を探し、米をとぎ、穴を掘り、その中で外部に光が漏れないように、ロウソクで気長に炊く以外に方法はなかった。 炊飯最中に『敵機襲来配置につけ』の号令がくる。火を消して穴からはい 出して配置につくが、暗夜のため方向すら分からなくなり、 せっかくの食事にもありつけない。

夜が明けてまた水を探しに行くと、昨夜、水をといだ水たまりには死体が浮いていて、飯を食べる気にはなれない。 いつ爆撃されるか分からないので、四六時中、緊張の連続であった為、精神に異常をきたす者もあり、相手の豊富な化学兵器の前には、天祐神助や神風ら精神力だけでは勝つことは出来ない。
日本軍は乞食同然の姿であり、現地人に馬鹿にされたばかりでなく、現地では牛の食う米を食わされた。これも現地商社の悪らつなもうけ主義から兵士を犠牲にしたのである。

軍隊生活と言えば戦前の厳しい軍規と、上下関係に縛られた暗いイメージしか浮かんでこない。どれを取り上げても人権尊重などどこ吹く風かであった。 この実態を知ったならば、戦争に参加したいと思う者はいまい。再軍備をすれば、いつかは我々の子孫がこのような目に遭うことになるのでキナクサイ有事立法には絶対反対をとなえよう。

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